ファーム研究

戦略コンサルタントの仕事の進み方|プロジェクトの流れと1週間のリズム

戦略コンサルティングファームへの転職を考え始めると、「実際のところ、戦略コンサルタントは日々どのように働いているのか」が気になる方は多いのではないでしょうか。求人情報や説明会では「経営課題の解決」と表現されますが、その言葉だけでは日々の仕事の進み方はイメージしにくいものです。

本記事では、戦略コンサルタントの仕事の進み方を、プロジェクトの典型的な流れ、1週間のリズム、チーム構成と役割分担、クライアントとの関わり方、忙しさの波と働き方という観点から整理します。

※ 本記事は一般的な姿をまとめたものです。実際の進め方やチーム構成、忙しさの度合いは、ファーム、テーマ、クライアント、時期によって大きく異なります。

仕事は「プロジェクト」という単位で進む

戦略コンサルタントの仕事は、部署の定常業務としてではなく、テーマごとに区切られた「プロジェクト」という単位で進みます。あるクライアントの中期戦略を検討するプロジェクトが終われば、次は別の業界の別のテーマに移る、という進み方が一般的です。

期間は数週間程度の短いものから、数か月にわたるものまで幅があります。プロジェクトが変わるたびに、業界も、クライアントも、チームメンバーも入れ替わることが多く、この「区切りのある働き方」が事業会社との大きな違いとしてよく挙げられます。

典型的なプロジェクトの流れ

進め方はファームやテーマによって異なりますが、大まかには次の5つの段階をたどることが多いと言われます。

1. 立ち上げ

プロジェクトの最初の数日から1〜2週間は、土台づくりの期間です。クライアントとのキックオフミーティングで、何を、いつまでに、どこまで明らかにするのかという範囲(スコープ)と成果物のイメージをすり合わせます。

チーム内では、クライアントが本当に解きたい問いは何かを議論し、全体の論点を構造化します。あわせて、公開情報や業界レポートを読み込み、過去の類似プロジェクトの知見を社内から集め、限られた期間で答えを出すための作業計画(ワークプラン)を組み立てます。

2. 仮説構築

論点が整理できたら、「おそらくこうではないか」という仮説を立てます。すべてを調べてから結論を出すのではなく、先に仮の答えを置き、それを検証するために必要な情報を絞り込んでいく進め方です。

この段階での仮説は、間違っていても構わないものとして扱われます。むしろ、早い段階で筋の悪い仮説を捨て、検証すべき問いを絞り込むことに意味があります。ここで論点がずれると、その後の分析がすべて無駄になりかねないため、チーム内の議論に時間をかけることも少なくありません。

3. 分析・検証

仮説を検証する段階では、手を動かす作業が中心になります。典型的には、次のような作業が並行して進みます。

  • 市場規模や成長率、競合の動向に関するデスクリサーチ
  • クライアントから受け取った社内データの加工と分析
  • 業界に詳しい有識者や現場担当者へのインタビュー
  • 顧客アンケートなどの一次情報の収集

分析の結果、当初の仮説が支持されることもあれば、否定されることもあります。否定された場合は仮説を組み立て直し、再び検証に戻ります。この「仮説を立てる→検証する→修正する」というサイクルを短い周期で回していくのが、戦略プロジェクトの基本動作です。

4. 提言の組み立て

検証を通じて見えてきた事実をもとに、クライアントが何をすべきかという提言を組み立てます。ここでは、分析結果を並べるのではなく、「だから何をすべきか」という示唆に変換する作業が求められます。

あわせて、提言を実行した場合の効果の見立てや、実行上の課題、進め方のロードマップまで整理することもあります。この段階では、資料として何をどの順序で伝えるかというストーリーラインの検討に、多くの時間が割かれます。

5. 報告・引き継ぎ

最終報告では、経営層が出席する会議で提言を説明し、議論を行います。報告はゴールであると同時に、クライアントが意思決定と実行に踏み出すための出発点でもあります。

報告後は、資料や分析データをクライアントに引き継ぎ、必要に応じて次のフェーズ(実行支援など)の議論に進みます。プロジェクトを振り返り、学びを社内に共有する場が設けられることもあります。

1週間のリズム

プロジェクト中の1週間には、一定のリズムがあることが多いと言われます。あくまで一例ですが、次のような形です。

タイミング 主な内容
週の前半 前週の宿題の共有、今週の作業分担の確認、分析やリサーチの実施
週の中盤 チーム内での中間議論、資料の方向性のすり合わせ、追加分析
週の後半 クライアントとの定例会議に向けた資料の仕上げ、議論
会議後 会議での指摘を踏まえた論点の見直し、翌週の計画づくり

多くのプロジェクトでは、クライアントとの定例会議が週に1回程度設定されます。この定例会議が節目となり、そこに向けて中間成果物をまとめ、会議での議論を受けて次の1週間の作業を組み立て直す、という進み方になります。

また、チーム内では毎日短いミーティングを行い、進捗の共有や方向性の確認をすることが一般的です。

チーム構成と役割分担

戦略プロジェクトのチームは、比較的少人数で構成されることが多いとされます。役職の呼び方はファームによって異なりますが、役割はおおむね次のように分かれます。

  • パートナー/ディレクター:クライアントの経営層との関係を担い、プロジェクト全体の方向性と品質に責任を持つ
  • マネージャー/プロジェクトリーダー:日々のプロジェクト運営を担い、論点設計、作業計画、チームの進捗管理、成果物の品質管理を行う
  • コンサルタント:担当領域の分析や資料作成を主体的に進め、若手の指導にも関わる
  • アナリスト/アソシエイト:リサーチ、データ分析、資料作成などを担当し、担当パートの示唆出しにも関与する

少人数であるため、一人ひとりの担当範囲は広くなりやすく、若手であっても特定の論点について「その領域の担当者」として議論に参加する場面が多いと言われます。また、テーマによっては、特定業界や機能に詳しい社内の専門家がスポットで加わることもあります。

クライアントとの関わり方

カウンターパートは、経営層や経営企画部門であることが多い一方で、分析やヒアリングの過程では事業部門の責任者や現場の担当者とも接点を持ちます。

関わり方の特徴としては、次の点が挙げられます。

  • 定例会議が議論の場:一方的に報告するのではなく、途中段階の仮説を示して議論し、方向性を共有しながら進める
  • 情報提供への依存:社内データやヒアリング先の手配はクライアントの協力が前提となるため、信頼関係の構築が仕事の質に直結する
  • 社内事情への配慮:提言が組織の中でどう受け止められるかを踏まえ、実行可能性まで含めて考える必要がある

近年はオンライン会議も広く使われますが、テーマやフェーズによってはクライアント先に一定期間常駐する形をとることもあります。

忙しさの波と働き方

戦略コンサルタントの仕事は、忙しさが一定ではなく、波があるのが特徴です。一般に、次のようなタイミングで負荷が高まりやすいと言われます。

  • 最終報告や重要な中間報告の直前
  • プロジェクトの立ち上げ期で、論点や進め方が固まりきっていない時期
  • 仮説が検証で否定され、方向性を組み立て直す必要が生じたとき

一方で、プロジェクトとプロジェクトの間や、分析が計画どおり進んでいる時期は、比較的落ち着くこともあります。近年は多くのファームで働き方に関する取り組みが進められていると言われますが、その内容や運用はファームによって異なるため、選考の過程で具体的に確認することをおすすめします。

こうした波のある働き方に向き合ううえでは、繁忙期を見越して体調とペースを管理すること、そして自分の作業に優先順位をつけ、時間の使い方を自分でコントロールしていく意識が重要になります。

まとめ

戦略コンサルタントの仕事は、プロジェクトという区切りの中で、論点を立て、仮説を検証し、提言としてまとめるサイクルを繰り返すものです。少人数のチームで担当範囲が広く、クライアントとの定例会議を節目としたリズムで進みます。忙しさには波があり、その働き方が自分に合うかどうかは、事前にイメージしておきたいポイントです。

Strategy Talentでは、ファームやチームごとの仕事の進め方について、事前に具体的なイメージを持っていただけるようご説明しています。働き方の実態が気になる段階でも、お気軽にご相談ください。

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