地方スーパー15店の営業利益率を1%から3%に引き上げる
- 売上・利益改善
- 難易度:標準
- 目安 25分
地方都市で15店舗を展開する食品スーパーの営業利益率が1%にとどまっており、経営者は3年以内に3%まで引き上げたいと考えています。
営業利益率が低い要因を分解したうえで、改善のための打ち手と優先順位を提案してください。
まず時間を計って、声に出して解いてみてください。行き詰まったらヒントを1つずつ開き、解き終えてから解説を確認します。
ヒント 1 を見る
営業利益を「売上 × 粗利率 − 販管費」に分け、粗利側とコスト側のどちらに改善余地が大きいかを最初に見立てましょう。
ヒント 2 を見る
粗利率は「値入率 − ロス率」で考え、廃棄や値引きによるロスがどの程度あるかを確認すると議論が深まります。
ヒント 3 を見る
販管費は人件費・店舗費用・物流・販促などに分け、それぞれの売上比率を競合や業界水準と比べる視点を持ちましょう。
解説を表示する解答の流れ・数値例・評価のポイント・よくあるNG・発展問題
前提の確認
最初に、面接官と次の点をすり合わせます。
- 規模:年商は1店あたり20億円、15店で 300億円(仮定)
- 目標の翻訳:営業利益率1%は営業利益3億円、3%は9億円。つまり 6億円の利益改善 が必要
- 手段の範囲:店舗の閉鎖や売却も選択肢に含めてよいか確認する(本問では「含めてよいが、雇用への配慮が必要」と置く)
解答の流れ
1. 論点の設定
営業利益 = 売上 × 粗利率 − 販管費
売上300億円に対して粗利率24%(粗利72億円)、販管費率23%(69億円)と置くと、営業利益は3億円で1%に整合します。売上を増やすことも可能ですが、地方で人口が減る中で大きな伸びは期待しにくいため、主な論点を 「粗利率を上げる」と「販管費率を下げる」 の2つに置きます。
2. 分解とボトルネックの特定
粗利率は「値入率27% − ロス率3% = 24%」(仮定)と分解できます。ロス率3%は、廃棄や見切り値引きが多い状態で、業界の優良企業(2%前後と仮定)より1ポイント高いことがボトルネックです。
**販管費率23%**の内訳を仮定すると、次のようになります。
| 費目 | 売上比率 | 金額 |
|---|---|---|
| 人件費 | 12% | 36億円 |
| 店舗費用(賃料・光熱費) | 5% | 15億円 |
| 物流・本部費 | 3% | 9億円 |
| 広告販促(チラシ等) | 2% | 6億円 |
| その他 | 1% | 3億円 |
人件費とチラシ中心の販促費が、業界水準と比べて高い可能性があると見立てます。
3. 打ち手の洗い出しと評価
| 打ち手 | 効果の試算 | インパクト | 実現性 | スピード |
|---|---|---|---|---|
| A. 発注精度と見切りタイミングの改善でロス率3%→2% | 粗利 +3億円 | 大 | 高 | 高 |
| B. 惣菜・PB比率の引き上げで粗利率 +0.5pt | 粗利 +1.5億円 | 中 | 中 | 中 |
| C. セミセルフレジとシフト最適化で人件費率12%→11.5% | 販管費 −1.5億円 | 中 | 中 | 中 |
| D. チラシからアプリ販促へ移行し販促費率2%→1.7% | 販管費 −0.9億円 | 小 | 高 | 高 |
| E. 赤字2店の閉鎖 | 利益 +1億円 | 小 | 低(雇用・地域への影響) | 低 |
A〜Dを合計すると 6.9億円 の改善となり、営業利益は9.9億円、利益率は約3.3%で目標に届きます。Eは効果に比べて負担が大きいため、A〜Dが不足した場合の選択肢にとどめます。
4. 結論
初年度は投資が少なく効果の大きい A(ロス削減) と D(販促の切り替え) に集中し、2年目にレジ投資を伴う C と商品構成の見直しである B を進める順序を提案します。3年で利益率3%に到達し、赤字店の閉鎖は最終手段として残します。
面接官とのやり取りの例
候補者:地方スーパーの利益率が低い場合、粗利率が低いというより、廃棄や値引きのロスと人件費が重いことが多いと考えています。粗利率と、その中のロスの割合はわかりますか。
面接官:粗利率は24%で、そのうち廃棄や値引きによるロスが3%程度あります。
候補者:優良企業は2%前後と聞くので、1ポイント分の改善余地がありそうです。次に販管費ですが、人件費率はどの程度でしょうか。
面接官:売上比で12%です。パート比率は高いのですが、レジはすべて有人です。
候補者:ではセミセルフレジの導入余地がありそうです。もう1点、店舗ごとの利益にばらつきはありますか。
面接官:2店が営業赤字で、合計で年間1億円の損失を出しています。ただ、地域の雇用を守りたいというのが社長の意向です。
評価のポイント
| 観点 | 見られていること |
|---|---|
| 目標の翻訳 | 「1%から3%」を金額(6億円)に置き換え、規模感を共有できたか |
| 分解 | 粗利率を「値入 − ロス」に、販管費を費目別に分け、比較対象を持って議論できたか |
| 打ち手の評価 | 評価軸を明示し、効果の試算と合わせて順序を示せたか |
| 前提への配慮 | 店舗閉鎖のような打ち手について、経営者の意向や地域への影響を踏まえられたか |
よくあるNG
- 「売上を伸ばす」ことに議論が偏り、利益率の分解を後回しにする
- 販管費を「コスト」とひとくくりにして、どの費目に改善余地があるかを特定しない
- 効果の合計が目標に届くかを確認せず、打ち手の列挙で終わる
- 店舗閉鎖を真っ先に提案し、経営者の意向や雇用への影響を考慮しない
発展問題
同じスーパーで、隣接する県に大手ドラッグストアが食品を強化して出店し、売上が5%減少する見込み になった場合、利益率3%の目標は維持できるでしょうか。売上減少による粗利の減少額と、固定費の負担増を踏まえて、打ち手の優先順位を見直してください。
※ 本問の数値はすべて説明のための仮定です。
解いた内容、プロの目で確かめませんか。
転職するかどうか、決まっていなくて構いません。
いまの経験がどう評価されうるか、どんな選択肢があるかを率直にお伝えします。
- 完全無料
- オンライン対応
- 平日夜・土日も可