Case Practice

住宅街の駅前にあるコンビニ1店舗の1日あたりの売上高

  • フェルミ推定
  • 難易度:基礎
  • 目安 10分
設問

住宅街の駅前にあるコンビニエンスストア1店舗の、1日あたりの売上高を推定してください。
客の側から積み上げる方法と、店の側(レジや売り場の能力)から積み上げる方法の両方で推定し、結果を比較してください。

まず時間を計って、声に出して解いてみてください。行き詰まったらヒントを1つずつ開き、解き終えてから解説を確認します。

ヒント 1 を見る

需要側は「1日の来店客数 × 客単価」です。来店客数は時間帯によって入り方が大きく違うので、ピークと閑散の帯に分けると根拠を説明しやすくなります。

ヒント 2 を見る

供給側は「レジ台数 × 1台が1時間に処理できる客数 × 平均稼働率 × 営業時間」で考えると、店の能力から見た上限が見えてきます。

ヒント 3 を見る

2つの結果が2倍以上ずれたら、どちらの前提が現実離れしているかを疑い、その場で修正する姿勢を見せましょう。

解説を表示する解答の流れ・数値例・評価のポイント・よくあるNG・発展問題

前提の確認

最初に、面接官と次の点をすり合わせます。ここで置いた前提が、以降の数値の根拠になります。

  • 対象:住宅街の駅前にある標準的な広さの店舗。24時間営業とする
  • 売上の定義:商品販売の合計金額。公共料金の収納代行やチケット販売の手数料は含めない
  • 日の取り方:平日と休日をならした、平均的な1日

解答の流れ

1. 式に分解する(需要側)

1日の売上 = 1日の来店客数 × 客単価

2. 来店客数を時間帯ごとに置く

24時間を、客の入り方が違う3つの帯に分けます(仮定)。

  • ピーク帯(朝7〜9時、昼12〜13時、夕方17〜20時の計6時間):通勤客と昼食客が集中するため、1時間あたり 80人(仮定) → 480人
  • 通常帯(9〜12時、13〜17時、20〜23時の計10時間):近隣の住民が中心で、1時間あたり 30人(仮定) → 300人
  • 深夜帯(23〜翌7時の8時間):1時間あたり 10人(仮定) → 80人

480人 + 300人 + 80人 = 860人

3. 客単価を置く

飲み物とおにぎりやパンを1〜2点買う客が中心で、弁当や日用品を買う客が一部混ざると考え、600円(仮定) と置きます。

4. 計算する(需要側)

860人 × 600円 = 516,000円 → 約50万円

5. 供給側から積み上げる

1日の売上 = レジ台数 × 1台の処理能力 × 平均稼働率 × 営業時間 × 客単価

  • レジ台数:標準的な店舗として 2台(仮定)
  • 処理能力:1人の会計に約1分かかるとして、1台あたり 1時間60人(仮定)
  • 平均稼働率:常に客が並んでいるわけではないので、24時間の平均で 25%(仮定)

2台 × 60人 × 0.25 × 24時間 = 720人 720人 × 600円 = 432,000円 → 約43万円

6. 比較して丸める

需要側は約52万円、供給側は約43万円で、同じ桁に収まり差も1.2倍程度です。両者の中間を取り、1日およそ45〜55万円、中央値で約50万円 と結論づけます。

妥当性の確認

第三の角度として、商圏の人口から来店客数を確かめます。徒歩圏に住む住民を 4,000人(仮定) とし、そのうち半分がこの店を週3回程度使うと置くと、

4,000人 × 0.5 × 3回 ÷ 7日 = 約860人

となり、需要側で置いた860人と一致します。駅を使う通過客を加えても1,000人前後に収まるため、来店客数の桁は大きく外れていないと判断できます。

評価のポイント

観点 見られていること
前提確認 「24時間営業」「収納代行は含めない」といった定義を、自分から置けたか
分解 需要側と供給側の両方で、根拠を説明しやすい式に落とせたか
数値の置き方 時間帯ごとの客の入り方やレジの稼働率に、生活実感に基づく一言の根拠を添えられたか
比較と修正 2つの結果のずれを説明し、どちらの前提を疑うべきかを述べられたか

よくあるNG

  • 来店客数を「1時間あたり50人 × 24時間」と一律に置き、時間帯による差を無視してしまう
  • 供給側でレジの稼働率を100%と置き、需要側と何倍もずれた結果をそのまま報告する
  • 2つの結果が出た時点で満足し、どちらが信頼できるか、なぜずれたかを説明しない
  • 「51万6,000円です」と細かい数字で言い切り、幅や丸めを示さない

発展問題

同じ店舗が オフィス街の駅前 にあった場合、1日の売上はどう変わるかを推定してください。時間帯ごとの客の入り方(昼のピークが大きく、深夜と休日が少ない)と客単価の前提を置き直し、住宅街の店舗との差がどこから生まれるかを説明できるかが問われます。

※ 本問の数値はすべて説明のための仮定であり、実際の統計値とは異なります。

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