Case Practice

日本国内のフィットネスクラブ市場の年間売上規模(会費ベース)

  • フェルミ推定
  • 難易度:標準
  • 目安 15分
設問

日本国内のフィットネスクラブ(月会費制のスポーツジム)市場の年間規模を推定してください。
人口を年代などのセグメントに分け、各セグメントの利用率を置いて積み上げてください。

まず時間を計って、声に出して解いてみてください。行き詰まったらヒントを1つずつ開き、解き終えてから解説を確認します。

ヒント 1 を見る

「市場規模 = 会員数 × 1人あたり年間支払額」に分解し、会員数は「セグメント人口 × 利用率」で求めます。

ヒント 2 を見る

年代によって利用率は大きく違います。若年層・現役世代・シニアのように、利用率に差が出る切り方を選ぶと説明しやすくなります。

ヒント 3 を見る

月会費は業態(大型総合クラブ、24時間型、女性向けサーキット型など)で幅があるので、混合した平均値として置きます。

解説を表示する解答の流れ・数値例・評価のポイント・よくあるNG・発展問題

前提の確認

最初に、面接官と次の点をすり合わせます。ここで置いた前提が、以降の数値の根拠になります。

  • 対象:月会費を払って継続利用する会員制のフィットネスクラブ。公営体育館の都度利用、パーソナルジム、ヨガ専門スタジオは含めない
  • 市場規模の定義:会員が支払う会費の年間合計。入会金や物販、プロテインなどの売上は含めない
  • 時点:平常時の直近1年間

解答の流れ

1. 式に分解する

市場規模 = Σ(セグメント人口 × 利用率)× 平均月会費 × 12か月

2. 人口をセグメントに分ける

日本の人口を 約1億2,000万人(仮定) とし、利用の仕方が変わる年代で4つに分けます(仮定)。

  • 0〜14歳:1,500万人 → 会員になる人はほぼいないとみて除外
  • 15〜29歳:1,800万人
  • 30〜59歳:4,800万人
  • 60歳以上:3,900万人

3. セグメントごとの利用率を置く

  • 15〜29歳:学生は部活やサークルで代替でき、社会人になってから入会が増えるため 4%(仮定) → 72万人
  • 30〜59歳:健康意識と可処分所得がともに高く、最も利用が多い層として 5%(仮定) → 240万人
  • 60歳以上:健康維持のために昼間に通う層がいる一方、体力面の制約もあるため 3%(仮定) → 117万人

72万人 + 240万人 + 117万人 = 429万人 → 約430万人

4. 平均月会費を置く

大型総合クラブは1万円前後、24時間型は7,000〜8,000円、サーキット型は6,000円程度(いずれも仮定)と幅があるため、混合した平均として 8,000円(仮定) と置きます。

5. 計算する

430万人 × 8,000円 × 12か月 = 4,128億円

有効数字を考えて、年間およそ4,000億円(3,500〜4,500億円の幅) と結論づけます。

妥当性の確認

供給側から桁を確認します。全国の店舗数を、人口2万人に1店ある感覚で 6,000店(仮定) と置きます。1店舗あたりの会員数を 700人(仮定) とすると、会員数は 6,000店 × 700人 = 420万人となり、需要側の430万人とほぼ一致します。

金額でも確認すると、1店舗の年間会費収入は 700人 × 8,000円 × 12か月 = 6,720万円、全国では 6,000店 × 6,720万円 = 4,032億円です。需要側の4,128億円と同じ桁で値も近いため、推定は大きく外れていないと判断できます。

評価のポイント

観点 見られていること
前提確認 「会費ベース」「パーソナルジムは除く」といった対象の線引きを、自分から置けたか
セグメントの切り方 利用率に差が出る軸(年代)を選び、なぜその軸なのかを説明できたか
数値の置き方 利用率や月会費に、生活実感や業態の違いに基づく一言の根拠を添えられたか
検算 店舗数など供給側の別アプローチで、会員数と金額の両方を確かめられたか

よくあるNG

  • 「日本人の何%がジムに通うか」を一律に置き、年代による差を考えない
  • セグメントを細かく切りすぎて時間を使い切り、計算にたどり着かない
  • 月会費を高価格帯の業態だけで置き、市場全体を過大に見積もる
  • 会員数の検算だけで満足し、金額の桁を確かめない

発展問題

同じ前提を使って、5年後の市場規模 を推定してください。24時間型ジムの店舗増加による若年層の利用率の変化と、シニア層の人口増加を前提として置き、どのセグメントが市場の伸びを支えるかを説明できるかが問われます。

※ 本問の数値はすべて説明のための仮定であり、実際の統計値とは異なります。

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