Case Practice

日本の国内線航空路線の年間旅客数を需要と供給から推定する

  • フェルミ推定
  • 難易度:標準
  • 目安 15分
設問

日本の国内線(航空)の年間旅客数を推定してください。
まず利用目的別のセグメントから需要側で積み上げ、次に便数・座席数・搭乗率から供給側で検算してください。

まず時間を計って、声に出して解いてみてください。行き詰まったらヒントを1つずつ開き、解き終えてから解説を確認します。

ヒント 1 を見る

需要側は「セグメントの人数 × 年間の搭乗回数(往復なら2回)」で積み上げます。出張と観光・帰省では頻度が大きく違います。

ヒント 2 を見る

供給側は「1日の便数 × 1便の座席数 × 搭乗率 × 365日」です。便数は、大きな空港の発着数を手がかりに全国へ広げると置きやすくなります。

ヒント 3 を見る

旅客数は「片道1人1回」で数えるのが通常です。往復を1回と数えないよう、定義を最初に確認しましょう。

解説を表示する解答の流れ・数値例・評価のポイント・よくあるNG・発展問題

前提の確認

最初に、面接官と次の点をすり合わせます。ここで置いた前提が、以降の数値の根拠になります。

  • 対象:日本国内の空港間を結ぶ定期便。国際線とチャーター便は含めない
  • 旅客数の定義:片道1人の搭乗を1と数える(往復は2と数える)
  • 時点:平常時の1年間

解答の流れ

1. 式に分解する(需要側)

年間旅客数 = Σ(セグメントの人数 × 年間搭乗回数)

2. 目的別セグメントで置く

日本の人口を 1億2,000万人(仮定) とし、飛行機に乗る目的で3つに分けます。

  • 出張:就業者を 6,000万人(仮定) とし、飛行機での出張が発生する人をその 10%(仮定) の600万人と置きます。年に往復3回、つまり 6搭乗(仮定) で、

    600万人 × 6回 = 3,600万人

  • 観光・レジャー:年に1回は飛行機で旅行する人を人口の 20%(仮定) の2,400万人と置き、往復で 2搭乗 とすると、

    2,400万人 × 2回 = 4,800万人

  • 帰省・訪問:遠方の実家や家族のもとへ飛行機で帰る人を 1,000万人(仮定)、年1往復の 2搭乗 とすると、

    1,000万人 × 2回 = 2,000万人

3,600万人 + 4,800万人 + 2,000万人 = 1億400万人 → 約1億人

3. 供給側で検算する

年間旅客数 = 1日の便数 × 1便あたり座席数 × 搭乗率 × 365日

  • 1日の便数:東京の空港から出発する国内線を、朝6時から夜10時までの16時間に平均2分に1便程度と見て 450便(仮定) とします。これが全国の出発便の 4分の1(仮定) を占めると置くと、全国では1,800便です
  • 座席数:大型機と小型機が混ざるため、平均 200席(仮定)
  • 搭乗率:閑散期と繁忙期をならして 70%(仮定)

1,800便 × 200席 × 0.7 × 365日 = 9,198万人 → 約9,200万人

4. 比較して丸める

需要側は約1億400万人、供給側は約9,200万人で、同じ桁に収まり差も1割程度です。年間およそ9,000万〜1億人、約1億人 と結論づけます。

妥当性の確認

別の角度から桁を確認します。約1億人を人口1億2,000万人で割ると、国民1人あたり年に0.8回程度 飛行機に乗る計算になります。「1年に1回乗るかどうか」という生活実感と矛盾しません。

路線側からも確認します。東京と大都市を結ぶ幹線を、1路線あたり年間 1,000万人(仮定) が利用する路線が 4本(仮定) あると置くと4,000万人です。それ以外の多数の地方路線の合計が幹線と同程度以上あると考えれば、全体で8,000万〜1億人となり、推定の範囲と整合します。

評価のポイント

観点 見られていること
前提確認 「片道1人1回」という数え方を、聞かれる前に自分から確認できたか
セグメントの切り方 搭乗頻度に差が出る軸(目的)を選び、頻度の違いを数値に反映できたか
数値の置き方 便数や搭乗率に、空港の様子など具体的なイメージに基づく根拠を添えられたか
検算 需要と供給のずれを説明し、1人あたり回数など第三の角度でも確かめられたか

よくあるNG

  • 往復を1回と数えて、需要側だけ半分の値になり、供給側との比較で混乱する
  • 出張セグメントを「就業者全員が年1回」のように置き、頻度の偏りを無視する
  • 便数を「全国の空港数 × 一律の便数」で置き、大空港と地方空港の差を考えない
  • 需要側と供給側が近い値になったことだけを報告し、なぜ近いのかを説明しない

発展問題

同じ前提を使って、国内線の年間売上規模 を推定してください。平均運賃を目的別(出張は正規運賃寄り、観光は割引運賃寄り)に置き分け、セグメントごとの旅客数と掛け合わせます。運賃の置き方に根拠を添えられるかが問われます。

※ 本問の数値はすべて説明のための仮定であり、実際の統計値とは異なります。

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